仮SS:英国土佐訪問打診2


「おいお嬢。どう考えてもきな臭い風が吹いているみたいだが…大丈夫か。」

はつみが武市を救いたい気持ちは分かるが、幕府は長崎などを要所として牛耳っている様に自分達以外の大名が外国に近付きすぎる事を良しとしない。自分(勝)の立場がしっかりしてりゃあ擁護してやる事もできたが、徳永の話を聞くにどうやら良くない状況であるに違いない。はつみは只でさえ長州派の過激派から狙われているという今日、勝手な外交斡旋は幕史からも目を付けられる事になりかねない。

おいらはお前さんの力量を見てみてぇってのはあるよ、だが役人の目に付く様な派手な行動は控える様にな。武士だなんだつって死に急ぐ奴らが多い中、生きていてこそ、そう考えられるのがお前さんの一番いい所なんだ。

…と、忠告を受ける。



横濱についたら海軍奉行・勝安房守の名で通行証を出すが、歩き回る時は念のため偽名がいいだろうという話になる。先日考えた『鬼椿権蔵』などの変名は長州で使っている為今回は使わない方がいいという事で、勝が新しい変名を命名。

『河合伊南(かわいいなん…いや、何ていうか…)』

『山川龍之助(『池』『田』『寅』之進の反対語?)』

『小松支益零(こまつしやくれい=こまっしゃくれ)』

はつみ「ナニコレ恥ずかしい……」

陸奥「俺のだけ段違いでひどくねぇか?」



横濱での仕事が終わったら京薩摩の小松を頼れ。今回の帰府でおいらに何かあった時は龍馬や塾生らも小松と西郷の所へ行く様段取りは付けてある。お前さんが一番安全で且つその才を活かせる場所は、今は恐らく薩摩だろう。そのまま英国に居ついてもおまえさんならやっていけそうだが、おいらの願いとしては、龍馬を支えてやってほしい。
―まぁ、俺があと10年若けりゃおまえさんを掻っ攫っていくんだがなぁ。


陸奥「おい、正体現したぞ。大阪にも長崎にも妾がいるらしいぞ気を付けろよ」
はつみ「でも勝先生は視野が広くてリーダーシップもあるし素敵な男性だと思うから、モテちゃうの分かるな~。」
勝「おいおいおいおい、聞いたか?そこのこわっぱ二人!」
はつみ「女性の身としては、二股三股じゃなくて『私だけの旦那様』であってほしいと思いますけどね」
陸奥「おいおいおいおい聞いたか寅之進?もっともなご意見だな?」
寅之進「俺に振るなよ…」
勝「かっかっか!言われちゃったねぇ(でも、その言葉お前さんの周りにいる男共に聞かせてやりたいねェ)」 いつかお前さんの評判のぴあのを聞かせてくれよ!んじゃ、『また』会おうな

※仮SS