所属・拠点:長州藩
天保10年8月20日生(約2才年上)
身長:155cm、筋肉質、やせ型、無骨
性格:仙才鬼才、陽頑、漢気、狂、孤高
一人称:僕
二人称:君
出会い:文久元年・江戸遊学編
物語:「相縁奇縁」
IF外伝:「高杉晋作異聞奇譚」
Image Colors: 深緋
代々毛利家へ仕える、由緒正しい家に生まれ育つ。 高杉家を担う唯一の男子として自覚を持ち、特に父の言い付けは守って生きてきた。
しかし、その父から『関するな』と言われている時世の関心毎について逸る心を御する事ができず、こっそりと吉田松陰の松下村塾へと通うようになる。師・松陰による的確な教育方針により、『識の高杉』と称される程の伸びをみせた。
若干の飽き性は否めないが筆まめな一面があり、新たな務めに就く毎に新たな日誌を綴る事を好む。また、日頃から女や子などに対し声を荒げる事はなかったが、然るべき時には毅然とした態度で自我を暴露させ凄まじい推進力を以て物事に対峙する力を備えている。
しかしこの『識』が、『陽頑』『暴れ牛』などと評された性格が、この時代においての高杉を孤高の存在へと押し上げていく。師・松陰も交友し深く語り合っていたという横井小楠の影響を強く受け、更に上海視察団へも参加し、世界の縮図を見た。これらの経験から得た『識』が、同志である志士達との微妙なズレを生じさせてしまって止まない。焦燥と苛立ちから傍若無人の徒となって女酒に溺れたりもするが、そんな事で憂さが晴れる訳でもない。
結果『狂人』の如く、『破天荒』で『孤高』な所業を繰り返してゆく。藩を抜け、連れ戻されて小攘夷をし、天誅をし、それでも高杉の先進的すぎる策が藩に取り立てられる事はない事を知った。『狂』を名乗り、東を想いながら西へ行く己の心は誰にも理解されないと言ってその孤独な心を詠み、最終的に時世が高杉の思想に追いつくまでは10年かかると言われて、ならば10年暇を取るなどと言い出す…。
彼の『破天荒』さとは荒々しい性格を示しているのではなく、時世と識が噛み合わない彼の葛藤そのものを示しているかの様であった。
しかし、同じ様に『孤高』の道を行く者がいた。
出会った頃から利発すぎる物言いで癪に障る事も多かった『男装の麗人』。
伊藤俊輔にして「日本一過激な尊王論者ですよ」などと言わしめる程の飛びぬけた発想を持つ彼女であったが、その独自の価値観から時世を説く言葉や高杉の焦燥を見抜くかの様な言葉は、いつも煩わしい程に心に刺さった。
「高杉さんがいなければ長州が立ち行かないという時が、必ず来ます!」
誰もが腫れ物を触るかの様に対峙していた高杉を、ヤケになって世捨て人の様な狂人を演じようとしていた高杉を、泣きながら叱咤激励した彼女の言葉。未来に対して何の根拠もないはずの言葉だったが、付け焼刃でも慰めでもなく…彼女の言葉だったから信じられた。
その言葉について、彼女について、幾度となく考えさせられた。
彼の心を支えていた。
そして高杉は、
彼女が予言した通りの未来と
彼女という存在について、一つの仮説に辿り着く。