所属・拠点:土佐藩
天保12年生(ほぼ同年)
身長:172cm、筋肉質、無骨
性格:光風霽月、漢気、一本気、天然
一人称:俺
二人称:おんし、おまん
出会い:安政6年・土佐日常編
物語:「嗚呼、池内蔵太」
Image Colors:天色
土佐の郷士の中でも微禄の家に生まれ、貧しい環境で育つ。しかし、その貧しさを跳ね返すように、明るく大柄で開けっ広げな性格の青年へと成長した。素直で感情豊か、男気溢れる兄貴肌の彼は、弱い者いじめを見かけると全力で弱者を守り、上士の悪童たちとしばしば喧嘩になることも多かった。
その真っ直ぐすぎる性格も相まって『体力馬鹿』と称されることが多かったが、実は岩崎弥太郎らに師事し、学問にも励んでいる。意外や意外にもその才覚は藩にも認められる程であり、後に藩命によって江戸に出た際には儒学の権威である安井息軒の門下となるなど、学識の高さも持ち合わせていた。
また、彼は青空が似合う非常に爽やかな『いい男』であり、本人は気付いていない様であったが道行く女性から羨望の眼差しを受ける事も多い。それ故に、意地の悪い上士たちから嫉妬や妬みで『教育』と称した暴力を振るわれることもあった。それでも、いざ喧嘩となればやはり百戦錬磨で負け知らず。その心と体の強さゆえに、次第に上士たちも彼を『いじめ相手』と見なさなくなっていった。
時折、喧嘩で怪我をした内蔵太に対し勇気を出して介抱を申し出る娘もいたが、内蔵太自身その辺りの事には極めて鈍感であり、彼が『手を付ける』等という事も一切なかった。
そんな内蔵太であっても、突然土佐城下に現れた『かぐや姫』と噂される人物を紹介された時には男としての本能が刺激され、鳥肌まで立ってしまう。勢い余って思わず『俺と夫婦になってくれ』と一目惚れの告白をしてしまうが、相手から返ってきた言葉は思いもしない『いやいやいや、あり得ないでしょ?!』であった。
…内蔵太は思う。
断られた事自体は致し方ない展開であったのだとしても、『あり得ない』とは…?返ってきた聞き慣れない言葉の意味を理解する為に時間を要する内蔵太。そして何を思ったか、『あれは男の格好をした男女ではなく、女みたいな女男だったのだ』『だから、あり得ないと言われてしまったのだ』―と、結論付けてしまった。
…内蔵太は思う。
嗚呼、やっちまった。
男に求愛するなんてどうかしてる。
しかし、初めて己の心身に走った『恋』の衝撃から『あいつ』を忘れる事ができない。
その場では冗談のように済まされたが、『夫婦になりたい』と思う程に本能を刺激された想いは冗談では済ませられない。
自分はもう既に、『あいつ』に一目惚れをしてしまった。その事実は変わらないのだ。
あいつはまっこと、男かよ?
俺は、男色だったんか…?
いくら素直で開けっ広げな性格とはいえ、己の恋愛事に関して極めて初心であった彼は『好いた惚れた』の話題自体に躊躇する一面があった。故に、「あいつって、男ですか?女ですか?」なんていう今更過ぎる質問を周囲に持ち掛ける事にさえ、妙な恥ずかしさや抵抗を感じてしまう。ましてや「夫婦になってくれ!」と啖呵を切った後であれば、『相手が男か女かもよく分からんのに求愛したのか』と笑われるやも知れず、更に言えば『あいつ』が本当に男だった場合は『男色確定!』と自分でも思いもしなかった秘密を周囲に暴露するようなものであるからして……。
恋愛事には恐ろしい程の鈍感ぶりを発揮する一方で、知識や経験が無い分、思い悩んだ時に頭の回転の良さが悪い方向へと作用してしまう内蔵太。
『あいつ』は男だとみなし、自分の胸に溢れそうになる想いは見てみぬ振りをする。―が、不意に目が合った瞬間や身体に触れてしまった際にはどうしても『雄』の本能がしゃしゃり出てきてしまう。
その度に、『自分は男色だったのか…』と人知れず思い悩む日々が始まるのだった…。